2016年11月、大館市が総務省から「お試しサテライトオフィス」事業の採択を受けてスタートした「星と緑と温泉の360°パノラマ」サテライトオフィス体験事業が反響を呼んでいるようです。その理由や体験者の声をまとめました!
目次
大館市のサテライトオフィスが選ばれる理由
サテライトオフィスは全国の自治体も取り組んでおり、有名な地域だと徳島県神山町があります。後発である大館市にはどんな魅力があって、選ばれているでしょうか?
①:交通費や宿泊費などが無料!
今回の大館市のサテライトオフィス体験事業は、なんと交通費や宿泊費、温泉の入浴料などさまざまなものが無料になっています。ほんとに飲食費だけくらいが自己負担な感じですね。
※ちなみに大館市に行こうとすると、羽田空港から大館能代空港の航空券で往復約3万円程度、大館能代空港からJR大館駅までバスで往復1840円がかかります。
国の事業なので予算があるからできるということもあるかもしれません。ただ同じ事業の採択を受けた他の地域と比較すると、本当に無料でいいの?と感じました。
例えば山口県では、補助要件といった形で条件がガッチリ決まっています。
①県外の企業等が、本拠とは別に中山間地域振興条例で定める県内中山間地域において、次のいずれかに該当する業務を行うサテライトオフィスを開設すること。
(1) 情報等システムの開発・運営・管理、プログラム等を行う業務
(2) 各種設計、デザイン、編集等を行う業務
(3) インターネットを活用した業務(eビジネス、eラーニング等)
(4) 新製品の研究開発等を行う業務
(5) 本社機能の一部(総務部門等)を行う業務 等②申請時点において、1年以上同種の事業等を営んでいること。
③県内中山間地域において常駐し、引き続き従前の事業活動を5年以上行うこと。
④個人事業者の場合は、過去3年間の平均年間所得が600万円以上であるか、その所得が見込まれること。
⑤対象経費について重複して、他の補助金を受けないこと。
引用:http://www.yamaguchi-satellite.jp/support/
もちろん各自治体の方針にもよりますが、今回の大館市の施策はなかなか思い切ったことをしているなと感じています。
②:「秋田」を満喫できる環境
秋田をあまり知らない人からすると、秋田といえば、
- なまはげ
- きりたんぽ
- 秋田美人
- 日本酒
- 秋田犬(あきたいぬ)
などのイメージがあるのではないでしょうか。この大館市では、本物のなまはげは見れないものの(おそらくですが)、上記で挙げたイメージと一致する秋田を体験できます。
あとは、
- 秋田県を代表する伝統工芸品の曲げわっぱ
- 全国でも有名な鶏めし弁当
- 北鹿の北秋田(個人的に凄い好きな日本酒)
などもあり、秋田を満喫できる要素がこの大館市にたくさんあります!
大館市に滞在してくれたみなさん!
この事業は2017年9月までとなっていますが、すでに大館市での生活を体験した方々がブログやSNSなどで数多くの感想が書いてありました!
株式会社LIG
株式会社LIGは上野にオフィスがあり、Web制作を中心に地方創生関連やゲストハウスといったさまざまな事業展開しています。
今回はいいオフィス支配人の勢古口さんなどLIGメンバーが大館市に来てくれました!
勢古口さんの記事では、大館市の食や観光体験などをメインに紹介してくれています。最後の温泉からのコーヒー牛乳は最高ですね!
ちゃんれみさん、阿羅漢さん、みやっちさんの3名が大館市に来た際の記事では、最初に仕事の環境の紹介をしてくれています。Webカメラや大きめのディスプレイが完備されているので、東京とのオンライン会議もバッチリなようです。
きりたんぽ体験のちゃんれみさん、めっちゃ衣装似合ってる!
スナップマート株式会社
渋谷にオフィスを構え、スマホで撮った写真を売買できるサービスを運営しているスナップマート株式会社。
大館市へ合宿に来てくださいました!秋田犬の写真たくさん撮ってくださったようです!
「旅、ときどき仕事」のみなさん
『旅、ときどき仕事』というコミュニティがあり、旅も仕事も両立するワークスタイルを実践しているメンバーの方々が大館市に来てくださいました!
オーガナイザーの古性のちさんが書いた記事は、2000いいね以上を集めており、大館市のみなさんの魅力やのちさんの素敵な想いも伝わってきます。
「まるも」のみなさん
千葉県富津市にあるコミュニティスペースまるも。この場所に集うメンバーが大館市に来てくださいました!
大館市で体験したことを各々がブログで書いていて、特にかんきさんの記事はボリュームすごくて、読み応えありますよ!
中森 りほさん
フリーライター/編集者として活躍されている、下北沢在住の中森さん。まるものメンバーと一緒に大館市に来てくださいました!
滞在中の1日の流れなどが書かれており、具体的に大館市でのお試し生活がイメージしやすい記事になっています。
また滞在中に取材した方々のインタビューやおすすめスポットがDRESSというWebメディアで公開されています!
ご紹介しきれなかった体験者のみなさん!
ほんとに多くの企業やフリーランスの方々が大館市まで足を運んでいるようです。(まとめきれなかった……)
この事業から得るものと今後
総務省も2015年度からふるさとテレワーク実証事業として全国のモデル地区を選定、それぞれの地区でサテライトオフィス誘致を含めた取り組みを進めている。今回の事業はそれらの2番煎じ、3番煎じとなるわけだ。モデル採択された地区が他地区との競争に勝てる保証はない。
引用:https://zuuonline.com/archives/128610
正直サテライトオフィスで東京にある企業を誘致といった取り組みはあるあるな感じもしています。しかし、事業構想の記事ではこのように語られています。
大館市は、今回のお試しサテライトオフィス事業の展開にあたり、いきなり最初から完成された仕組みを確立できるとは考えていない。事前のニーズ調査を周到に行ったうえで、施策を展開していく計画だ。
2017年9月までに「お試し勤務」企業の募集を行い、そこで企業から”生の声”を聞いて支援メニューを整え、今後の誘致計画を策定する。
大館市が目標としているのは、企業訪問を中心とした100社以上への積極的なプロモーション活動であり、得られる”つながり”が今後の財産になるという。
「1人でも多く、大館を知ってもらえれば」として、企業に限らず、個人事業主も歓迎している。
引用:満天の星空の下、勤務体験 「何もない田舎」だからこその魅力
まずはニーズ調査、そしてこの事業で得られるつながりを作る段階ということです。おそらく今成功していると言われている地域もこうした最初のプロセスを積んできたからこそ今があると思います。
この事業を通して他の地域と似たような施策になることはないとは思いますが、2017年9月のお試し期間が終わってからの大館市のサテライトオフィス体験事業の今後の展開には要注目ですね。