【日本初※】投資型クラウドファンディング業界マップ(リターン別)2020年版を公開します

【日本初※】投資型クラウドファンディング業界マップ(リターン別)2020年版を公開します

クラウドファンディングは大きく分類すると、寄付型、購入型、投資型の3つに分けられます。

  • 寄付型:リターンなし(御礼お手紙やメールはある)
  • 購入型:割引券や物品などがリターン(金銭的リターンがない)
  • 投資型:分配金などがリターン(金銭的リターンがある)

今回は投資型クラウドファンディングをリターン別に分類した業界マップ(カオスマップ)を作成しました!

背景としては、2019年以降は投資型クラウドファンディングに関する様々なサービスが登場すると個人的に予測しており、現段階でどれくらいのサービスがあるかを視覚的にひと目で把握できるようにしておきたいと考えたからです。今回はリターン別ですが、他にもいくつか分類の切り口があるので、別途作成中です。

またインターネット上では購入型クラウドファンディングのカオスマップは存在していましたが、投資型で分類されたマップは調べた限りなかったので、日本初※をタイトルにつけています。(2020年2月12日時点)

この投資型クラウドファンディング業界マップ(カオスマップ)が、さらに業界を盛り上げてくれるツールになると幸いです!画像ダウンロードで説明資料などにぜひご活用ください!質問などがあればお気軽にDMまで!

※以下のコメントは投資型クラウドファンディングのいずれかのサービスを見たことがある、どういうサービスかはなんとなくわかるという方向けです。専門的な業界(法律別)マップなどは後日公開予定です!

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投資型クラウドファンディング業界マップ(リターン別)へのコメント

【日本初※】投資型クラウドファンディング業界マップ(リターン別)2020年版を公開します

今回の業界マップでは「投資型」という大きなカテゴリーの中に、融資型、不特法型、ファンド型、株式型の4つをリターン別に分類しました。(クラウドファンディングはこれという定義を示しているものがなく、ワードも人によっては異なることもあるのでご注意ください。)

またサービスを運営している企業が上場しているかいないかも重要な要素の1つであると考え、上場企業、未上場企業、参入表明の3つに分類しました。(※今回の業界マップでは入っていないサービスもいくつかありますが、理由があるため後日の業界マップ(法律別)で記載予定です)

融資型

融資型はクラウドファンディング業界でも市場規模が1番大きく、注目度が高いFinTech分野の一つです。
※1:購入型 約100億円、融資型 約1,500億円(2017年度)

1万円などの少額投資で、不動産や太陽光などの再生可能エネルギー、中小企業支援、マイクロファイナンスなど様々なジャンルに間接的に融資を行い、平均利回り約8%を得られる資産運用として、近年急速に成長してきました。※2(2018年12月時点)

しかしながら、2017年からいくつかのサービスを運営する企業が行政処分を受けるなど、多くの問題を起こしたカテゴリでもあります。

こうした問題を背景に、2019年3月には金融庁から匿名化解除に関する公式見解が公表され、これまで投資先がわからないといった状況が無くなっていくと考えられるほか、参入企業も多いことから、引き続き市場成長が見込まれています。

不特法型

不特法型(匿名組合)は不動産特定共同事業法の登録を受けた企業が運営するサービスをまとめたカテゴリで、1万円などの少額からインターネット完結で様々な不動産に投資ができます。2016年にTATERU Fundingがリリースされて以降、複数の上場企業も参入しており、今後もサービスは増えていくと予想されます。

政府としても2017年に小規模不動産特定共同事業を創設して、全国にある古民家や空き家などの利活用も促進したいという動きもあるので、注目の領域です。(1号2号や電子取引業務などの違いもあるのですが、後日別の記事で公開予定)

ファンド型

ファンド型は1万円などから全国にある中小、零細企業を中心とした各社の事業に投資が可能なカテゴリです。事業計画の損益分岐点を下回ると元本割れしてしまいますが、予測以上の売上が出た場合は連動して分配金も増えるといった特徴があります。

クラウドファンディング業界でも老舗のセキュリテが徐々に規模を拡大している形ですが、参入する企業はあまりいません。資金調達側でかかる費用感や投資家が取るリスクを考えると、なかなか難しいカテゴリだなという印象です。

株式型

株式型は、2015年の法改正からサービスを運営できるようになった新しいカテゴリです。個人がベンチャー企業にインターネット完結で投資することが可能で、2017年にFUNDINNOがリリースされて以降、数社が参入しています。

しかしながら、資金調達側の企業が使いづらいような課題もいくつかあり、各サービスで投資できる案件は多くありません。東証の市場再編も話題に上がっていることもありますが、未上場企業の資金調達手段として新しい選択肢になるかどうかはまだ未知数というところでしょうか。

今後の投資型クラウドファンディング業界はどうなる?

アメリカや中国ではすでに数十兆円の規模まで市場が拡大している投資型クラウドファンディング業界。(P2P LendingやOnline Lendingなどのワードで各レポートが書かれていることが多いです)

国内では問題もありましたし、数多くの課題もありますが、日本でも数十兆円の規模感に成長するポテンシャルはあると考えています。現預金はもちろん、投資信託やETF、REIT、株式投資、債券などの金融資産の一部が投資型クラウドファンディングに流れてくる日(キャズムを超える日)を想像しながら、引き続きこの業界動向を見続けたいと思います。


※1:2017年度の国内クラウドファンディング市場規模は新規プロジェクト支援ベースで前年度比127.5%増の1,700億円
※2:ZUU Funding業界分析

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