【2020年版】国内クラウドファンディング業界情報まとめ(資金調達、新サービス・機能など)

クラウドファンディング業界の主なトピックまとめ記事も4年目に突入しました。今年はM&Aの動きが特になかったほか、コロナの影響で、2020年前半はあまりリリースがなかったようです。
しかしながら、2020年後半になってからは、新サービスや機能追加などのお知らせが多い印象でした。当記事が2020年を振り返るキッカケになれば幸いです!

2019年版も昨年ブログにまとめましたが、2019年版もご興味ある方はどうぞ!

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資金調達を発表したクラウドファンディング事業者

セキュリテ

セキュリテを運営するミュージックセキュリティーズ株式会社は、2020年5月に株式会社ミクシィとの資本業務提携を発表しました。スポーツ、地方創生、ESG、SDGsをテーマにしたファンドの組成に取り組んでいくとのことです。※1

またセキュリテでは、ブロックチェーンを活用した音楽投資システムや楽天証券でのファンド取り扱い開始など新しいリリースが続々と出ています。2021年の展開に注目です。

クラウドクレジット

クラウドクレジットは2020年5月に、丸井グループとSFV・GB投資事業有限責任組合(ソニーフィナンシャルベンチャーズとグローバル・ブレイン)から7億円の資金調達を発表。同年12月には、エッジ・ラボ、インベストメントLabから合計1億円の資金調達を発表しました。※2、3

そのほか、tsumiki証券やSBJ銀行との連携、機関投資家向けプライベートファンド2号の開始、単月における当期純利益の黒字化達成なども発表されています。

FUNDINNO

FUMDINNOを運営する株式会社日本クラウドキャピタルは、2020年9月に合計8.5億円の資金調達を発表。また同年11月には東急株式会社からの1億円の資金調達を含む合計3億円(前回合計金額発表からの差分)の資金調達も発表されています。※4、5

機関投資家やエンジェル投資家含め株主数は約100人になり、株式投資型クラウドファンディングの世界観などを自社でも体現しつつあります。

会員数5万人突破やEXIT案件も数件発生するなど実績も積み上がってきており、未上場株の相対取引システム構築などの新機能の登場が楽しみです。

Funds

Fundsは、auカブコム証券、電通、三井住友信託銀行との資本業務提携を発表しています。※6、7、8(筆者勤め先のため省略)

CREAL

CREALを運営する株式会社ブリッジ・シー・キャピタルは、2020年12月に4億7,880万円の資金調達を発表しました。※9

不特法型クラウドファンディングの中では運用資産残高No.1の実績を持っていますが、大手企業が続々と参入している市場で今後どのような案件や提携などを進めていくかは注目です。

CAMPFIRE


CAMPFIREは2020年12月に約36億円(シリーズD・E)の資金調達を発表しました。※10

Minerva Growth Partners LLPのほか、BASE、丸井グループが新しく株主となりました。polca、CAMPFIRE Bank、gojo、TOMOSHIBIなどのサービスを終了し、融資型・株式投資型クラウドファンディングへの展開といった選択と集中の年だったようにも見えます。

ラウンドもシリーズEと後半になっており、Makuakeに続いて購入型クラウドファンディングとして2社目の上場となるか、2021年以降のリリースも要チェックです。

新サービス・機能を発表したクラウドファンディング事業者

CAMPFIRE×PayPay


購入型クラウドファンディングサービスは、クレカ決済を始め、キャリア決済やコンビニ払いなど様々な決済ができるようになっていますが、CAMPFIREでPayPay決済が可能になりました。※11

おそらく決済手段を一番豊富に揃えているのはCAMPFIREだと思いますが、aupay、LINEpay、メルペイなどまだまだ導入されていない決済系サービスはあるので、こうした決済手段の追加はこの業界でもさらに進んでいくと考えられます。

Funds×メルペイ

Fundsでメルペイを活用しての投資が可能となりました。投資型クラウドファンディング業界では初めての取り組みとなっています。※12

投資型クラウドファンディングでの投資は、各サービスで口座開設を行い、その口座に入金して投資を行うのが通常の流れでしたが、この新機能は業界でも大きなトピックになったのではないでしょうか。

事業型クラウドファンディングではクレジットカード決済も可能ですが、セキュリテしか導入されていないことや上限10万円などの上限もあり、口座への入金以外で投資するということがほとんどありませんでしが、決済方法の多様化に2021年以降も注目してみるとよいかもしれません。

クラウドリアルティ×プライマリーマーケットBaaS


クラウドリアルティは、2021年春からプライマリーマーケットBaaS「soils(ソイルズ)」を開始することを発表しました。※13

soils(ソイルズ)を活用して、現在のクラウドリアルティのサービスは引き続き提供していくことはもちろん、プライマリーマーケットの各機能をAPIとして様々な業界にも提供していくとのことです。2017年から約4年かけての特許取得など長い期間でしたが、いよいよクラウドリアルティが次のフェーズに向かう新展開に期待です。

セキュリテ×楽天証券

各証券会社で投資型クラウドファンディングの案件が取り扱われることはほぼありませんでしたが、セキュリテの案件が楽天証券で取り扱われるようです。※14

証券会社との連携は今後も進むと予想されますし、市場規模拡大に弾みをつける大きなきっかけになると考えられます。

ハローRENOVATION or 大家.com×不特法STO

不特法型クラウドファンディングでいよいよSTOスキームが導入された案件が登場し始めました。

ハローRENOVATIONと大家.comでは、いずれもLIFULLとSecuritize Japanが提供しているプラットフォームを活用することで、セキュリティトークンを発行し、出資持分の流動性を高めることを可能にしました。※15、16

投資型クラウドファンディング業界はこれまで流動性が低く(換金できない、二次流通市場がないなど)、リスクとなっていましたが、まずは不特法型からSTOスキーム導入が進んだことは大きな一歩だと思います。


※1:第三者割当増資の実施のお知らせ
※2:コロナ禍でのシリーズE調達。クラウドクレジットに見る「投資家とバリュエーション」の一貫性
※3:更なる財務基盤および経営体制強化のお知らせ
※4:株式投資型クラウドファンディングFUNDINNOを運営する、株式会社日本クラウドキャピタルが第三者割当増資を実施。累計約14億円となり、株主は83人に。
※5:株式投資型クラウドファンディング「FUNDINNO」を運営する株式会社日本クラウドキャピタルが東急株式会社と資本業務提携
※6:貸付投資のFunds、auカブコム証券との資本業務提携及びファンドの共同販売に向けた合意書締結のお知らせ 〜「Funds for auカブコム」の検討も開始〜
※7:貸付投資のFundsが電通と資本業務提携及び個人と企業を貸付ファンドでつなぐ新たなファンコミュニティ施策“FinCommunity Marketing”を共同開発
※8:貸付投資の「Funds」が三井住友信託銀行と資本業務提携 今後ESG関連ファンドの組成も検討
※9:第三者割当増資のお知らせ
※10:株式会社CAMPFIRE、総額40億円超の資金調達を実施 「金融包摂」実現に向けてクラウドファンディング利用者拡大と事業基盤の強化
※11:CAMPFIRE、クラウドファンディングサービス初、キャッシュレス決済サービス「PayPay(ペイペイ)」導入
※12:国内初、スマホ決済サービス「メルペイ」で貸付投資!「Funds」がメルカリ サステナビリティファンド#1を募集 〜投資額に応じたポイント還元キャンペーンも実施〜
※13:不動産投資型クラウドファンディングの「Crowd Realty(クラウドリアルティ )」が、BaaSプラットフォームの展開に向けて”soils”(ソイルズ)へプラットフォームをリブランディング。新たな事業展開に合わせてコーポレートロゴも刷新。
※14:ミュージックセキュリティーズ社のファンド、楽天証券での取扱い開始
※15:不特法事業者向けSTOプラットフォームで国内初の一般個人投資家向け不動産STOが実施
※16:不動産特定共同事業者向けSTOスキームを導入します!!

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マサヤ

マサヤ

国内外のFinTech(フィンテック)を中心に、金融、STO、スタートアップなど幅広くブログで情報発信。国内FinTechスタートアップ(資産運用ジャンル)マーケティング/1992年世代/秋田県出身

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